流体力学

ベンチュリー管による流量の測定原理|ベルヌーイの定理と連続の式の応用

流体力学

 流れを絞ると圧力降下することを利用した流量を測定する装置「ベンチュリ―管」の原理を解説します。

1. ベルヌーイの定理と連続の式

 ベンチュリ―管は図のように管路の途中に絞りを設けたものです。ここで、管壁から流れが剥離しないように滑らかに絞り、緩やかに拡大します。図の流線は、線の間隔が広いところは流速が低く、線の間隔が広いところは流速が高いことを表しています。絞る事で流速が高くなっているのは、ホースの先端を指で潰すと水の勢いが増すのと同じメカニズムです。

 この現象を数式で表現することにします。断面①、②の間ではベルヌーイの定理(エネルギー保存式)と連続の式(質量保存式)が次のように成り立ちます。

\[\frac{1}{2}v_1^2+\frac{p_1}{\rho}=\frac{1}{2}v_2^2+\frac{p_2}{\rho}・・・(1)\]
\[v_1 A_1 = v_2 A_2・・・(2)\]

ベルヌーイの定理と連続の式の物理的な解釈は次の記事をご覧ください。

式(1)に式(2)代入して変形すると次のようになります。

\[v_1=\frac{1}{\sqrt{\left( A_1/A_2 \right)^2-1}}\sqrt{\frac{2}{\rho}(p_1-p_2)}\]

したがって、\(p_1\)と\(p_2\)を計測すれば断面平均流速\(v_1\)や\(v_2\)を知ることができ、連続の式(2)より流量を求められることを意味しています。

 この装置はHerschelにより1898年に発表されました。名前がベンチュリ―管と呼ばれているのは、絞りによる圧力効果を発見したVenturiに対する敬意の様です。

2. ベンチュリ―管はノズルとディフューザーの集合体

 ベンチュリ―管の流れをもう少し理解したいと思います。

 先に解説した「滑らかな絞り」は圧力エネルギーを速度エネルギー(運動エネルギー)に変換するものであり、「ノズル」と呼ばれます。ロケットのノズルがその例です。

 「緩やかな拡大」は速度エネルギー(運動エネルギー)を圧力エネルギーに変換するものであり、ディフューザーと呼ばれます。スポーツカーの後部に用いられる整流部がその例です。

 また、先ほどはあえて解説しませんでしたが、ディフューザで元の流路面積まで拡大したにも関わらず、圧力は元の\(p_1\)まで回復していません。これは粘性による損失です。その形態は壁面摩擦であったり流体間の摩擦(渦や乱流粘性など)です。ここはベルヌーイの定理や連続の式の説明に矛盾がありますので、もう少し解説したいと思います。

先ず、粘性の作用は運動量保存式を解かなければ現れません。そして、ベルヌーイの定理は運動量保存式を積分して導出されますが、その基となった運動量保存式は粘性を考慮していないのです。

では、改めて粘性を考慮したとして、そのエネルギーは熱として散逸されることになり、結果として流体の物性に対して「密度が変わる」ことで現れます。

さて、ベルヌーイの定理は密度変化しない事を前提に置いているはずです。ここに矛盾点として現れているのです。この矛盾点をそのままにしている理由は、粘性損失による熱エネルギーが密度変化に与える影響が小さいためです。

Vis-Tech
タイトルとURLをコピーしました