伝熱工学

伝熱|様々な沸騰形態と沸騰曲線

伝熱工学

 1934年に抜山は、右図のように水を満たしたビーカ中に金属細線を張り、細線まわりに生じる沸騰現象の観察、測定を行いました。そして、細線の表面熱流束\(q_w\)を通電加熱量から、また細線の温度\(T_w\)を予め検定した細線の抵抗値から求め、\(q_w\)を縦軸、伝熱面過熱度\(\Delta T \)(\(=T_w-T_{sat}\))を横軸にとってプロットすると、下図に示すような曲線を描くことを初めて明らかにしました。この曲線を「沸騰曲線」または「抜山曲線」と呼びます。

沸騰に関する用語の説明
  • プール沸騰(Pool boiling):自然対流沸騰とも呼び、液体は容器内で静止
  • 流動沸騰(Flow boiling):強制対流沸騰とも呼び、流体が流動している
  • 飽和沸騰(Saturation boiling):液体の温度が飽和温度(大気圧下の水では100℃)である
  • サブクール沸騰(Sub-cooled boiling):液体の温度が飽和温度以下である
  • 核沸騰(Nucleate boiling):伝熱面にある微細な穴や傷(これをキャビティまたは沸騰核と呼ぶ)を核にして気泡が生じる沸騰の形態

私たちが普段、目にするのは「核沸騰」になります。

  • 膜沸騰(Film boiling):伝熱面が高温になると、伝熱面のまわりを蒸気膜が覆うようになり、蒸気膜を介して沸騰が生じます
  • 遷移沸騰(Transition boiling):核沸騰と膜沸騰が混在した沸騰、伝熱面の加熱量を制御することにより初めて実現されます
  • 沸騰開始点:伝熱面上に沸騰が生じ始める点
  • バーンアウト点(Burnout point):核沸騰時に伝熱面熱流束を上げていくと、気泡の発生が活発となり、やがて気泡が伝熱面全体を覆い、低融点金属素材からなる伝熱面(鉄、ステンレスなど)では溶融、破断にいたります。この点をバーンアウト点、また、このときの熱流束をバーンアウト熱流束と呼びます。バーンアウト熱流束の見積もりは工業上最も重要です。
  • 最大熱流束点(Maximum heat flux point):核沸騰域で熱流束を上げていったときに、核沸騰から膜沸騰に移行し始める直前の点
  • 最小熱流束点(Minimum heat flux point):膜沸騰域で熱流束を下げていったときに、膜沸騰から核沸騰に移行し始める直前の点
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