[プロが解説]洗濯物が痛まない乾燥方式は”ヒートポンプ方式” | Vis-Tech
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洗濯物が痛まない乾燥方式は”ヒートポンプ式”

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  ヒータ方式は衣類を痛めやすいため、ヒートポンプ方式を選ぶべき。その理由について解説します。

1. ヒーター乾燥とヒートポンプ乾燥の違い

 簡単に違いを表現すると、”ヒーター乾燥”はドライヤーの様な高温の空気で乾燥させる方式で、”ヒートポンプ乾燥”は除湿機で乾燥させる方式です。具体的には次の通りです。

ヒーター乾燥とは?

 およそ100℃に加熱された空気を洗濯物に当てて乾燥させます。この時、ヒーターは電気により加熱されるため、相応の電気代がかかることになります。ヒーター乾燥は衣類は痛むし、電気代も嵩むしとあまり良いことがないと思えますが、一つメリットがあります。それは、構造が単純ゆえに比較的安価である事です。あまり乾燥機能を使われない方は、単に洗濯機の購入費用で決めればよいでしょう。

ヒートポンプ乾燥とは?

 およそ60℃の湿度が低い空気を洗濯物に当てて乾燥させます。なぜ、これで乾燥させることができるのか?それは強力な除湿機能を有しているからです。ヒートポンプは”熱を吸い取ってくみ上げ、放熱する”原理を表しており、ルームエアコンも同じくヒートポンプによる原理を利用しています。こちらの記事で紹介しました「再熱除湿」という機能をヒートポンプ乾燥も有していることになります。

 ヒートポンプは原理上は空気を0℃(これ以上冷やすと凍ってしまう)まで冷やすことができ、この時に結露させることで気中の水分を取り除きます。その後、冷えてしまった空気を再度温める際に、除湿に要したエネルギーをヒートポンプ*1により再利用することで、ヒーター方式のように無駄にエネルギー使うことなく、省エネ運転することができるのです。

*1:ヒートポンプを理解するには冷凍サイクルに関する知識が必要なため、本記事では割愛します

2. それぞれの乾燥方式を採用するメーカー

ヒーター乾燥を採用するメーカー

 日立、AQUA、アイリスオーヤマはヒーター方式です。日立は「ヒートリサイクル」という名称で売り出していますが、これはヒートポンプではありませんので注意しましょう。説明を見る限り省エネに効果はありますが、高温の空気を洗濯物に当てるため衣類を痛めやすいことに

ヒートポンプ乾燥を採用するメーカー

パナソニック、東芝、シャープはヒートポンプ方式です。

※ 上記は代表機種による調査のため、ヒートポンプを擁するメーカーでもエントリーモデルはヒーター乾燥の場合があります。気になった機種があれば毎回確認しましょう

3. 最後に:洗濯機の乾燥機能をお勧めする世帯の特徴

 夜間に洗濯して乾燥させる使い方をされる共働き世帯には、ヒートポンプ方式を重視いただきたいです。乾燥機能を常用されるため、特に衣類へのダメージは気を付けたいですし、頻度が高いという事は省エネ性も無視できないからです。一方で、あまり洗濯機の乾燥機能を使われない方は従来通りのヒーター方式でも問題ないでしょう。

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