エアコン各社の除湿方式と特徴:部屋が寒くならない除湿方式を選択! | Vis-Tech
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エアコン各社の除湿方式と特徴:部屋が寒くならない除湿方式を選択!

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 除湿方式は弱冷房除湿と再熱除湿の2択になり、寒くならない除湿方式は「再熱除湿」です。しかし、メリット・デメリットがありますので、それぞれの方式の原理・特徴を理解して自分に合ったエアコンを選択しましょう。

1. 弱冷房除湿/再熱除湿とは

 除湿のメカニズムは空気中の水分を結露させて排出することです。なので、どちらの方式でもこの原理原則は一緒になります。違いは除湿のスピードになります。

(1) 弱冷房除湿のメカニズム

 空気中の水分を結露させるには、露点といわれるある一定の温度以下に冷やす必要があります。ここで、なぜ”弱”冷房除湿といわれる所以を解説します

 「空気の風量」を「空気の塊の量」と捉えてください。ある一定の冷やすパワー(冷房能力)に対して、空気の量が多いほうが冷やしにくいのはイメージがわくと思います。露点温度以下まで冷やしたいので、空気の温度をより下げるには風量が小さい方が沢山の空気中の水分を結露させることができるのです。

 一方で、あまりに空気を冷やしすぎると部屋がとても寒くなってしまいます。この「寒くなるのを極力抑える」ために冷やすパワーを絞るため、”弱”冷房除湿と言います

 したがって、部屋が寒くなる背反をある程度は両立させなければならないため、除湿スピードもそれなりという事になります。

(2) 再熱除湿のメカニズム

 弱冷房除湿で説明しましたように、空気をたくさん冷やせば除湿スピードが上がる一方で、部屋が寒くなってしまいます。これに対し、「除湿して冷え込んだ空気を再度温める」ことで、除湿スピードと部屋の冷え込みを抑えることを両立させることができます。再度温めることを「再熱」や「リヒート」と呼びます。

 再熱除湿は快適性という意味では再熱除湿が最適です。しかし、再度温める以上は電気代が増えます。電気代が増えるといいつつも、夏場の冷房運転や冬場の暖房運転ほどではないため、そこまで気にしなくてもよいのではと筆者は思います。

2. 各社の除湿方式の特徴

(1) 除湿方式一覧

メーカー各社の除湿方式をざっくり以下にまとめました。
※同じメーカー内でも製品によって変わる場合がありますので、製品を選ばれる際に改めてご確認ください。

✓ 弱冷房除湿を採用するメーカー

ダイキン、パナソニック、シャープが弱冷房除湿方式を採用しているようです。各社、除湿方式に様々な命名をしておりますので、それは次の「(2)各社の除湿方式の名称とメカニズム」で触れたいと思います。

✓ 再熱除湿を採用するメーカー

三菱電機、富士通ゼネラル、東芝、日立が再熱除湿方式を採用しています。この除湿方式については、各メーカーは特に命名をしていないため、この方式そのものが差別化であることをうかがわせます。

(2) 各社の弱冷房除湿方式の名称とメカニズム

各メーカーは、弱冷房の弱点である「部屋が冷えすぎる」ことに対策をうっており、そのやり方で名称を付けて差別化を図っているようです。

✓ ダイキン:さらら除湿(新・ハイブリッド方式)

 これは、取り込んだ全空気を冷やすのではなく、一部の空気を冷やし、一方の冷やしていない空気と混ぜることで温める「エアミックス」と呼ばれる方式をとっています。温めるための熱源はあくまで室内空気であるため、結局のところ空気は冷えることになります。メリットは「風量を出すことと部屋を冷やしすぎないことの両立」です。風量を出せなければ部屋の中の空気が流れず、まんべんなく除湿することができませんからね。

✓ シャープ:コアンダ除湿

 これは、冷えた空気が人に直接あたるのを極力さけるため、天井に向かって空気を吹き出す方式です。天井に向かって吹き出すには一工夫が必要で、流体力学の「コアンダ効果」を利用しています。天井に風を向けるための”手段”を名称にしているのですね。

3. まとめ

除湿運転時の快適性という観点では「再熱除湿」一択になると思います。エアコンメーカー各社は除湿の他にも商品性をそろえていますので、購入される方が何を優先されるかを判断して選ばれるのが良いと思います。

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