ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』でも使われた AfterShokz製の ヘッドセット。一日の大半をウェブ会議で過ごす人の救世主を筆者が3カ月使用したレビューを紹介します。
1. OpenCommが解決できる問題点
皆さんはウェブ会議の際にどういったヘッドセットを使われていますでしょうか?iPhoneに付属するイヤホン、Bluetoothイヤホン、USBやピンジャックのヘッドセットなど、様々だと思います。それらが抱える以下の煩わしさからOpenCommは解放してくれます。
(1)耳の圧迫感
イヤホンタイプの場合、ある程度自分の耳の穴の大きさに合ったイヤーピースを選択可能ではあるものの、それなりに圧迫感を感じると思います。また、ヘッドフォンタイプの場合は耳を覆うイヤーパッドに挟まれて耳を押し付ける格好になり、場合によっては耳が痛くなってきます。
OpenCommの場合は軽く押し当てられるので、数時間つけっぱなしでも違和感がなく、あまりの装着感の自然さに、つけていることを忘れていることもあるくらいです。さらに、筆者は眼鏡とマスクを着けているところにOpenCommを装着していますが、全く違和感がありません。
(2)話す声が大きくなり、デスクの周囲の人に迷惑をかける
一般的なイヤホンやヘッドセットでは耳がふさがれているため、自信の声や周囲の音のフィードバックがなくなり、自然と話し声が大きくなってしまいます。周囲にいないでしょうか?ウェブ会議をしている最中にやたらと声が大きい人。在宅勤務であれば問題ないのでしょうが、デスクでウェブ会議をする際は周囲の迷惑となってしまいます。本人は決してそのようなつもりはないのですが、意識していても周囲の音と遮断されるだけで自然とそうなってしまうのです。
OpenCommは骨伝導のためオープンイヤーとなり、周囲の音や自信が発する声がきちんと空気を伝わってフィードバックされるため、自身の声が大きくなるような事はありません。
(3)周囲の話し声や雑音をマイクが拾う
デスクでウェブ会議をする際、自身が離さない場合はミュート設定にされていると思います。その理由は、周囲の人の話し声などのノイズを拾ってしまうからでしょう。これには様々な問題点があると思います。機密情報が漏れないか、ノイズを拾って話し声がクリアに聞こえないか、など。
OpenCommには複数の収音マイクが装備されており、話手の声と周囲の雑音とを区別するノイズキャンセリング機能が付いています。筆者の声は非常にクリアに聞こえるととても評判が良いです。
(4)ケーブルによる制約
ピンジャックやUSBのような優先接続の場合、PCとケーブルでつながっているため、色々と煩わしい事があります。デスクの上をケーブルが横切り作業の邪魔になったり、PCと一緒に移動しなければならないなど。
OpenCommはBluetooth接続のため、これらの煩わしさは一切ありません。10m程度の距離であればPCから離れても全く問題ありませんでした。机の上もすっきりです。そして、筆者は使わない時はOpenCommを頭から外して襟にひっかけており、急な呼び出しに対応することも可能です。
2. OpenCommが更に優れている点
上記の問題が改善されただけでも十分な魅力を感じると思います。筆者もそこに期待して購入しました。ここでは、予想以上に良かった点を挙げます。
(1)聞こえる音声が非常にクリア
正直、骨伝導って音質どうなの?と疑っていました。しかし、実際に使ってみるといい意味で裏切られました。音声が非常にクリアに聞こえます。これだけで、かなりの疲労軽減になっています。もしやと思い音楽を聴いてみたら、驚くほど音質が良かったです。骨伝導は低音が苦手とされていますが、これはウェブ会議には一切必要ないため、こういった用途と相性が良いと感じています。
(2)十分な作動時間
公式には最大16時間と記載されています。USB給電およびマグネットコネクタによる本体とケーブルの簡単接続のため充電する行為に一切ストレスがなく、頻繁に充電している筆者は充電を使い切ったことはありません。
3. OpenCommがイマイチな点
いい所ばかりの様に思えますが、筆者は以下の点を改善してほしいと感じています。
(1)音量の操作はPCで
OpenComm本体に音量操作のボタンが装備されていますが、実際にこれで音量を調整できません。PCのサウンド設定で調整しています。筆者はPCによるウェブ会議のみの使用ですが、スマホなどの音楽再生の場合はこのボタンで音量を調整できるのかもしれません。
(2)低音が強いとくすぐったい
別の方が使われているマイクの特性に影響するところが大きいと思いますが、低音が強くなることがあります。そうすると、ブルブルと震えてくすぐったいのです。我慢できる音量まで落としているうちに少し慣れてはきたものの、それでも不意にブルブルして我慢できない時は、スピーカー部を指で押さえて解決しています。
4. 総論
OpenCommの値段は2万円近くしますので、安い買い物ではありません。しかし、ウェブ会議が浸透したこのご時世、ベッドや枕にお金をかけるのと同じぐらい、ヘッドセットにお金をかけるべきだと思うのです。そして、OpenCommはその期待を決して裏切りません。