基礎物理

微分方程式としてのニュートンの運動方程式

基礎物理

 自由落下を事例に微分方程式としてのニュートンの運動方程式の解をもとめます。

1. 微分方程式

\[m\frac{\displaystyle d^2x}{\displaystyle dt^2}=F_x, m\frac{\displaystyle d^2y}{\displaystyle dt^2}=F_y, m\frac{\displaystyle d^2z}{\displaystyle dt^2}=F_z ・・・(1)\]
このような未知の導関数(微分)を含む方程式を微分方程式といいます。微分方程式に含まれる最高階の導関数の次数をその微分方程式の階数といいます。したがって、2階の導関数を含むニュートンの運動方程式(1)は2階の微分方程式となります。

 微分方程式を満たす関数を求めることを、その微分方程式を解くといい、求められた関数をといいます。微分方程式(1)の解\({\rm r}(t)=[x(t),y(t),z(t)]\)は力\({\rm F}\)の作用を受けている質量\(m\)の物体の運動を表しています。したがって、物体に働く力\({\rm F}\)の作用を受けている質量\(m\)の物体の微分方程式であるニュートンの運動方程式を解くことができます。

2. 自由落下を事例に解を求める

 2階の微分方程式の解は2個の任意定数を含みます。たとえば、式(1)の力\({\rm F}\)が重力\((0, mg, 0))\)の場合の微分方程式は
\[\frac{\displaystyle d^2y}{\displaystyle dt^2}=g ・・・(2)\]
です。この微分方程式の解は両辺を\(t\)で積分すると求められます。両辺を\(t\)について積分すると
\[\int \frac{\displaystyle d}{\displaystyle dt}\left( \frac{\displaystyle y}{\displaystyle t} \right)dt=\int g \, dt \\
\frac{\displaystyle dy}{\displaystyle dt}=v_y=gt+C_1 (C_1は任意定数)・・・(3)
\]
となります。したがって2階の微分方程式(2)の解(3)は2個の任意定数\(C_1\)と\(C_2\)を含むことが確かめられました。

 微分方程式の解で、その階数と同じ個数の任意定数を含むものを一般解といいます。微分方程式の一般解の任意定数に特定の値を与えて得られる関数も微分方程式の解であり、特殊解といいます。

 微分方程式の解の任意定数を定める条件を物理学では初期条件あるいは境界条件といいます。たとえば、式(2)と式(3)で\(t=0\)とおくと、\(dy/dt\)は\(t=0\)での速度の\(y\)方向成分\(v_{0y}\)であり、\(y\)は\(t=0\)での\(y\)座標\(y_0\)なので、2個の任意定数\(C_1\)と\(C_2\)は
\[C_1=v_y(t=0)=v_{0y},\,C2=y(t=0)=y_0 ・・・(4)\]
となり、式(2)と式(3)は、
\[v_x=gt+v_[0y] ・・・(5)\]
\[y=\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 2}gt^2+v_{0y}t+y_0 ・・・(6)\]
となります。

 そこで、ニュートンの運動方程式の一般解には2個×3方向=6個の任意定数があります。この任意定数として、ある時刻\(t=t_0\)での物体の位置\({\rm r}_0={\rm r}(t_0)\)と速度\({\rm v}_0={\rm v}(t_0)\)を選びます。したがって、ある時刻\(t_0\)での位置\({\rm r}_0={\rm r}(t_0)\)と速度\({\rm v}_0={\rm r}(t_0)\)がわかると、運動方程式(1)を解くことによって全時刻での位置\({\rm r}(t)\)を知ることができます。このように原因がわかると結果が定まることを因果律といいます。因果律とは、原因と結果の間に一定の関係が存在する原理です。 

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