一生懸命に指導しているのになかなか自発的に動いてくれない部下や後輩たちに苦労されたことはありませんか?そういった人達に対する動機づけ方法について解説します。就職活動に際してもリーダーシップについて語れると優位になると思いますので、ぜひ活用ください。
1. 人が動機づけされる理由
まず、仕事への意欲を支配する因子を知っておいていただきたく、次の表を見てください。
① | 昇進 | 高い役職(名声)を得たい |
② | 職務管理 | 自分が主導権をとりたい |
③ | 適職 | 仕事自体が好き |
④ | 業務遂行 | 目標を達成したい |
⑤ | 環境適応 | 困難を乗り越えたい |
⑥ | 自己表現 | 自分の個性を発揮したい |
⑦ | 期待/評価 | 他の期待、信頼に応えたい |
⑧ | 人間関係 | 人間関係を大切にしたい |
⑨ | 環境整備 | 良い環境で働きたい |
⑩ | プライベート | 家族や余暇を大切にしたい |
⑪ | 報酬 | 十分な給料を得たい |
①~⑥にあたる人はそもそも火が点いているので何をしても動機づけされます。こういう部下ばかりだと楽ですよね。
⑦~⑪の人が対象です。何故、上記の様に表現したかと言うと、これに一切当てはまらない人は何をやっても動機づけできませんので、最初に見極めましょう。
2. どうすれば火が点くか
どうすれば火が点くかを整理しました。
(1)この人に付いていきたいと思われる人間的魅力
(2)一人ひとりがそこに行きたいと思える夢を示すこと
(3)プロ意識を掻き立てること
(4) 世のため人のためになっていると思わせること
(5)家族意識の高揚
(6)垣根のない職場・なんでも言える人間関係作り
特に(1)~(3)が難しいと思いますので、ここについて更に掘り下げて解説します。
(1)この人に付いていきたいと思われる人間的魅力
先ずは相手に自分の話を聞いてもらい納得してもらわなければ始まりません。その為に必要なスキル・やり方が次の4つです。部下と会話するときは上から順番にやってみましょう。
- 傾聴
相手の真意を聞きとれるかどうかはここで決まります。3現主義に基づいて共体験しましょう。 - 論理の出発点を合わせる
目線を合わせてください。そして少し上の目線を示してください。目線にもいろいろとありますが、高い志・倫理観・常識・良識などがそうです。 - 相手を想う心
For you first, not for me - 有言実行
役割をしっかりと定義づけ(Assign)してから実行に移しましょう
(2)一人ひとりがそこに行きたいと思える夢を示すこと
「あれやれ、これやれ」と細かくやることを指示し、「どうしてやれていないんだ」と部下を責めると部下の力は70%に落ちてしまいます。これはタスク管理型ですね。
一人ひとりに向かうべき道を示し、自分の事として自主自立し熱意を持ってそこに向かわせると力は120%にもなります。これをミッション方式と言います。強い現場は大抵このミッション方式で動いているはずです。
ミッション方式で動かすためには次のステップで考えてください。
- 現状を把握(スタート地点を決める)
3現主義を使って現状を把握しましょう。身の丈を正確に理解しないと無謀なミッションになってしまいます。 - 目標を立てる(ゴール地点を決める)
具体的なビジョンを立てて共有しましょう。皆が共通に理解できる具体的な状態にまで落としてください。 - コンセプトを作る
「現状」と「目標」のギャップを埋めるためのコンセプトです。従来の軸の延長線上にない施策を準備できるのが望ましいです。
(3)プロ意識を掻き立てること
「すごい!」という感動を与える仕事を求めます。以下はこうなればべストという事例です。
部下・後輩本人
- 愚直にやり続けて「そこまでやるの?」と相手をうならせる努力
- ここまでやり切ったという達成感を求める
- 他の誰にも負けないという意識の醸成
上司
- ストレッチした目標を示し成功させる
- 常に観つづけ、認知する
- How to doはすべて権限移譲し、結果に責任をとる度量を持つ
- 背中を見せる
最後に
これらは上司や先輩から教わってきた事を自分なりの咀嚼してまとめたもので、私自身もまだまだ至らないところがあります。ぜひ、皆さんも部下や後輩と一緒に成長していきましょう。